中途採用を成功に導く三つのポイント
人手不足が深刻化する中、採用業務は企業の継続的な成長に向けてより重要性を増してくると思われます。本コラムでは特に中途採用について、採用を成功させるためのポイントを三つほど解説したいと思います。
一つ目は、仕事の分析です。分析では、その仕事の職務定義は勿論のこと、期待される成果(成果物)も明確にする必要があります。そして、その成果を出すために必要なコンピテンシー(成果を上げるための行動)までブレークダウンします。例えば経理課長というポジションであれば、成果物が決算資料だけなのか、財務データを用いた経営者への財務戦略の提案まで求めるのかによって、必要なコンピテンシーは変わってきます。
二つ目は、面接です。中途採用の面接では、主に保有するスキル・知識を職歴から確認していくと思うのですが、もう一つ重要なことは、先ほどの仕事の分析で明確にしたコンピ テンシーを候補者が保有しているかどうかです。経理課長の例で言えば経営への戦略提案まで求めるのであれば数値を正確に取りまとめる「慎重さ」だけでなく、ロジカルに相手を「説得する力」も必要となります。候補者にそれがあるかどうかは、過去の具体的な業務経験を聞きながら見極めていくことになります。
最後は、会社として社員(候補者)に提供できる価値を、競合に負けないレベルまで引き上げること。中身としては、将来ビジョン・戦略の魅力度、報酬・福利厚生の中身、各種制度の充実度、社内風土の健全度などが挙げられます。もちろん、これらは一朝一夕になんとかなるものではありません。まずは、現在の状態を把握し、その上で、会社として注力すべき優先領域を明確にし、計画的に改善していくことが必要となります。
これら三つのポイントのうち、最初の仕事の分析と二番目の面接の進め方のレベルを上げられれば、会社が求める人材を高い精度で見極めることができるようになり、適切な候補者に内定を出すことができるようになるでしょう。しかし、最後の社員への提供価値が十分なレベルに達していないと、候補者から内定承諾を得られなかったり、入社しても早期に離脱してしまうことにもなりかねません。
今後、ますます激化するであろう人材獲得競争。これをネガティブに捉えずに競合を差をつけるチャンスととらえ、先ほどを挙げた三つのポイントのレベルアップに努めていくと良いと思われます。


